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これまでに報告されたラクトフェリンの効能・効果から推定される作用機作を図2に示します。それらは「免疫的寛容の導入」「異物認識の強化」「血管新生の阻害」と「オピオイド作用の増強」に集約できます。これらの作用機作は、ラクトフェリン研究者が研究に執念を燃やす駆動力になってきました。既存の医薬品には認められない作用機作だからです。したがって、免疫的寛容の導入が必要な自己免疫疾患、アレルギーには改善効果が期待できます。また、異物認識の強化が必要な病態、例えば感染症、特に、日和見感染症に対し改善効果があります。さらに、ラクトフェリンは炎症が誘導する血管新生を阻害しますから、癌を始めとする血管新生病に有効です。一方、ラクトフェリンは脳内麻薬と称される内因性オピオイドの効果を高めますから、疼痛に対する鎮痛効果を示します。 |