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Lactoferrin is good for dental health. Lactoferrin is good for dental health.
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ラクトフェリンに関するQ&A
 
ラクトフェリンに関するQ&A

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2. ラクトフェリンの効果
Q2-1 歯磨剤や保湿剤にラクトフェリンが混入されているものがありますが、効果はあるのでしょうか?
A2-1 ラクトフェリンの水溶液は非常に不安定ですから、溶液の状態で歯磨剤や保湿剤に添加した場合には室温保存で使用期限は3ヶ月以内と思われます。また、効果は添加量と相関しますから、0.2%以上加えないと効果はないだろうと思います。しかし、乾燥状態の歯磨き粉や用事調製の保湿剤に添加した場合には、効果は期待できると思われます。海外から輸入されているラクトフェリン含有歯磨剤や保湿剤は、ラクトフェリンの含有量が非常に僅かで、しかも、水溶液ですから、日本に到着する頃にはラクトフェリンが失活しています。ラクトフェリン特有の免疫賦活効果あるいは鎮痛効果は期待できません。
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Q2-2 ラクトフェリン入りヨーグルトは効果があるのでしょうか?
A2-2 スーパー、コンビニなどの量販店ではラクトフェリンを200 mg添加したヨーグルトが販売されています。また、宅配のヨーグルト(60 mg)や牛乳(100 mg)にもラクトフェリンを添加して販売されているものがあります。ラクトフェリンは胃の中でペプシンにより急速に分解されますから、ラクトフェリン本来の作用はないと申しあげてもよいでしょう。例外的に、無酸症の方とか、消化性潰瘍で胃酸分泌を阻害する薬物を摂取している方は、胃の中でラクトフェリンが分解されないので有効と考えてよいと思います。
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Q2-3 どんな病気に有効ですか?
A2-3 これまでに報告されたラクトフェリンの効能・効果から推定される作用機作を図2に示します。それらは「免疫的寛容の導入」「異物認識の強化」「血管新生の阻害」と「オピオイド作用の増強」に集約できます。これらの作用機作は、ラクトフェリン研究者が研究に執念を燃やす駆動力になってきました。既存の医薬品には認められない作用機作だからです。したがって、免疫的寛容の導入が必要な自己免疫疾患、アレルギーには改善効果が期待できます。また、異物認識の強化が必要な病態、例えば感染症、特に、日和見感染症に対し改善効果があります。さらに、ラクトフェリンは炎症が誘導する血管新生を阻害しますから、癌を始めとする血管新生病に有効です。一方、ラクトフェリンは脳内麻薬と称される内因性オピオイドの効果を高めますから、疼痛に対する鎮痛効果を示します。
図2 ラクトフェリンの推定作用機作
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Q2-4 ラクトフェリンは、どの程度の期間摂取すれば効果が現れてくるのですか?
A2-4 摂取を希望される方の病態により摂取量と摂取期限が決まると思います。動物実験では、ラクトフェリンの効果が発言する時間は非常に速やかで、24時間以内です。臨床的にも舌苔の正常化(口の中のツルツル感)は48時間くらいで発現します。鎮痛効果の発現は貼付5−10分以内、経口投与でも2時間以内です。
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Q2-5 ラクトフェリンは、カプセルで摂取すると、ラクトフェリン含有ヨーグルトを食べるより高い効果が期待できるのですか?
A2-5 ヨーグルトはデザートです。したがって、食後に食べるケースがほとんどと思われます。その場合には、ヨーグルト中のラクトフェリンは2時間くらいペプシンの作用を受けますから、十二指腸に流入するラクトフェリンは1/215くらいに減少します。それに対し、ラクトフェリン腸溶製剤は、ペプシンの作用を受けずに空腸と回腸に到達します。また、カプセルを毎日服用するのは簡単ですが、ヨーグルトを毎日摂取するのは意外に難しいものです。これをコンプライアンスと呼んでいます。
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Q2-6 ラクトフェリンは母乳に多く含まれているそうですが、子供もラクトフェリンを摂取することによって健康増進の効果が期待できるのですか?子供には必要ないのでしょうか?街のお店や通販で売られている物と異なるのでしょうか?
A2-6 ヒトの獲得免疫が成熟するのは小学校高学年くらいの年齢と思われます。それまでは異物処理が自然免疫にゆだねられています。したがって、腸溶性ラクトフェリンを服用し、自然免疫を賦活しておくことは必要と考えています。その場合、服用するラクトフェリンは腸溶製剤でなければなりません。
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Q2-7 途中で服用するのをやめてしまった場合でも効果が期待できるのでしょうか?服用を中断した場合、どのようなことが起こる可能性があるのでしょうか?
A2-7 病態により内服していただく期間、服用量が異なりますので、一概にどうこうと申しあげられません。例えば、ドライアイ、ドライマウスを特徴とするシェーグレン症候群の場合、QOLの改善はラクトフェリン服用開始の1週間以内に認められますが、服用を中止すると1週間以内にQOLは内服前の状態に戻ってしまいます。ただし、ラクトフェリンはステロイド治療でしばしば認められるリバウンドを起こすことはありません。シェーグレン症候群は難病で、現行では治療手段がありません。このような難病の場合には、服用を続けられることをお勧めします。
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Q2-8 ラクトフェリンの歯周病予防に対する効果作用機序は?
A2-8 歯周病は自然治癒することがなく、かなり進行するまで自覚されにくいため、気付いたときには手遅れが現状です。歯周病とは口腔に定着・生息する嫌気性細菌による日和見感染症です。原因とされる病原菌は10種ほどですが、原因菌を同定することは難しいようです。コッホの三原則と言って、病原微生物の同定は「病巣から分離できる」「in vitroで培養できる」「動物に感染させると感染症を再現できる」の三つを満たすことが必要なためです。犯人と目される細菌は、いずれもin vitroでは抗菌剤に対し高い感受性を示すので、簡単に退治できると思われるかもしれません。ところが、病原菌はバイオフィルム(Biofilm)に包まれているので抗菌剤に対し高度に抵抗性です。宿主が健康であれば、病原菌は歯周ポケット、舌背部のヒダのような酸素が届かない部位に定着し細々と生息しています。しかし、宿主の免疫能低下によりバランスが崩れると、歯周ポケット内で急速に増殖し歯肉に侵入して炎症を起こします。さらに、歯肉では炎症の寛快と再燃が繰り返され悪化していきます。歯周病の主要な治療は、"外科的に病巣を除去する"、あるいは"ブラッシングによるバイオフィルムの除去"により感染源を断つ方法です。それに加えてβラクタム系抗生物質の全身投与、テトラサイクリン系抗生物質の歯周ポケット内投与による病原菌の増殖抑制が試みられてきました。つまり、従来の治療は病巣の切除と抗菌剤療法により病原菌を減らす方法です。歯周病の根本的な原因が全身ないし口腔の免疫能低下にあるのですが、免疫能改善の視点が治療法に欠落していました。ラクトフェリンは免疫能を賦活することにより歯周病を治療しようと云う世界最初の試みです。
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